Xperia 1 II の「音」

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TL;DR

Xperia 1 II が外部アンプを搭載したようなので、その音を聴いてみる。

アンプについて

Device Info HW で確認したところ、Xperia 1 II は Cirrus Logic CS35L41 というアンプを使っているようだ。CS35L41 はモノラルアンプなので、Xperia 1 II ではそれを2基搭載するデュアルモノラル構成となっている。

2020/6/4追記: CS35L41 自体は、出力の大きさ的にスピーカー用の可能性が高く、イヤホンジャック用のアンプとしても用いられているかは不明。「音質にこだわりデュアルモノラル構成」というより、モノラルスピーカーの端末での利用も想定して売られているアンプを、ステレオ用に2つ搭載しているだけかもしれない。以下のレビューは、「アンプが変わったから音は良くなっているはずだ」という先入観は持たずにレビューを行った。


実際に聴いてみた

Xperia XZ2 Premium (+付属の AAAM アダプター) から Xperia 1 II にかけて、音がどのように変化したのか比較してみる。試聴には、SONY MDR-1A (ヘッドホン) + SONY MUC-S12SM1 (リケーブル) のセットと、final E1000 (イヤホン) を用いた。

条件を公平にするため、両機ともオーディオ関係のエフェクトは全てオフとし、どちらも内蔵の「ミュージック」アプリを使用した。比較に用いた音源は、クラシック、映画音楽、ジャズ、アニソン、Jポップなど、幅広いジャンルから選んだ。

一聴して、その別物さ加減に思わず笑みが浮かんだ。

まず初めに気づくのは、Xperia XZ2 Premium では音が濁った感じだったのに対し、Xperia 1 II では音がクリアで鮮明になっていることだ。その結果ボーカルや楽器の音に艶感や瑞々しさがあらわれ、全体的に音のリアリティが向上している。オーディオ機器のレビューでよく「ヴェールが取れたような」や「一皮むけたような」などといった表現をよく目にするが、まさにそのような感覚があった。

また、全体的に音の厚みが増しているのを感じる。特に中音域の厚みが増していて、Xperia XZ2 Premium に比べてフラット寄りの音になった。音の解像感も向上しているので、厚みが増加したからといって音が雑になったりせず、一つ一つの楽器の音がきちんと描き分けられ、低域がややタイトになったように感じられる。

そして、定位は Xperia XZ2 Premium と比較してバシッと決まっている。これに関しては、公式サイトの以下の表記が関係しているのかもしれない。

さらに、左右の音の混ざりを、Xperia1比で約10分の1に低減したので、よりクリアな音質を楽しめます。

Xperia 1 II(エクスペリア ワン マークツー) | オーディオ | Xperia(エクスペリア)公式サイト

「左右の音の混ざり」と言うとおそらくクロストークのことだと思われるが、アンプがデュアルモノラル構成になったことでクロストークが低減され、その結果定位が良くなったと考えれば納得がいく。 (2020/6/4追記: アンプがスピーカー用と思われるため真偽不明)

また、Xperia は音の出力が弱いと言われがちだが、これに関しては Xperia XZ2 Premium と比べても優位な差があるようには感じられなかった。だが、全体的に音の厚みが増しているせいか、やや Xperia 1 II の方が大きいように感じられた。

おわりに

アンプが外部アンプになったことが功を奏したのかは分からないが、Xperia 1 II はかなり基礎体力が強化されているように感じられた。本当に今までの Xperia はなんだったのか。もはや Xperia XZ2 Premium で音楽を聴くのはアーティストに失礼ではないのかという気さえしてくる。

それに対し Xperia 1 II は「今までの『Xperia はソニーのくせに音質が悪い』というイメージを払拭してやろう」という気概を感じられ、好感が持てる端末だった。

井戸水

ガジェットやオーディオビジュアルが好きな人。モバイル機器における空間オーディオなどを調査しています。

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