Pixel 向け Android 10 の初期ファームウェア、ビルド番号 QP1A.190711.019 と QP1A.190711.020 について

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先日 Android 10 が正式リリースされた。Pixel シリーズにはビルド番号 QP1A.190711.019 のものと QP1A.190711.020 の2種類のファームウェアが用意されている

同じ月に2つ以上 Pixel のファームウェアが出ること自体は別にそんなに珍しくはないが、その場合は「これは Verizon 用」だとか「これは docomo 用」だとか、そういった注釈がついている。

しかし今回はなんの注釈もなく2つ用意されている。軽く調べたが、色々なサイトを見ても「2つ用意されてるが違いはわからない」的なことが書いてあるだけだった。これらはそれぞれ何なのかを探ってみる。

まず、Android Beta Program に登録していて、Android Q Beta 6 (QPP6.190730.005) までアップデートしていた Pixel 2 XL を Android 10 にアップデート。すると、ビルド番号は QP1A.190711.020 になった。そして、Android Q Beta 6 の時には 2019-09 だった Google Play システム アップデート (Project Mainline) のバージョンは 2019-08-01 に落ちてしまった。

アップデート前 (Android Q Beta 6)
アップデート後 (Android 10)

次は Android Beta Program に登録していない Pixel 3 XL。Android 9 Pie (PQ3A.190801.002) から Android 10 にアップデートすると、ビルド番号は QP1A.190711.019 になった。(そして Google Play システム アップデートは 2019-09 だ。)

どうやら Android Beta Program の参加の有無と関係がありそうだ。ということで Pixel 3 XL を Android Beta Program に登録してみる。すると、QP1A.190711.020 のアップデートが降ってきた。そして、Google Play システム アップデートの方には 2019-09 から 2019-08-01 へのアップデート (とは) が降ってきた。

最後に Pixel 2 XL を Android Beta Program から外してみる。Android Beta Program への登録を解除すると通常は最新の安定版までダウングレードされるのだが、どうやら QP1A.190711.020 は別にアルファ / ベータ版という扱いではないようで、特にダウングレードはされなかった。そこで、Android 9 Pie (PQ3A.190801.002) の Factory Image を焼いてから再び Android 10 へのアップデートを試みた。すると、降ってきたのは QP1A.190711.019 だった。(そして Google Play システム アップデートはやはり 2019-09 だ。)

検証した結果、どうやら QP1A.190711.020 は Android Beta Program 用、QP1A.190711.019 はそれ以外の通常版らしい。と言っても QP1A.190711.020 も安定版リリースとして扱われているようだ。実際に触ってみた限りでは、両者に機能的な違いは感じられなかった。QP1A.190711.020 には Android Beta Feedback が同梱されているわけでもない。ただ QP1A.190711.020 だと Google Play システム アップデートのバージョンが古くなるだけだった。なぜファームウェアを2つに分けたのかはわからないが、今回のファームウェアの分け方は、珍しく特定キャリア向けのを作ったとかではなさそうだ。


井戸水

ガジェットやオーディオビジュアルが好きな人。モバイル機器における空間オーディオなどを調査しています。

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