iPhone / iPad の空間オーディオ対応状況を改めて整理してみる

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まえがき

正直今更感のある記事だが、対応状況を載せているサイトを色々見ているうちに、サイト同士で言っていることが違うことに気がついた。そこで、改めて自分で調べてみたところ、そもそも Apple や Dolby の公式情報の時点でしっかりしていないことに気がついた。

  • Apple のページ同士で違うことが書いてある
  • Apple の同じページの、英語版と日本語版とで違うことが書いてある
  • Apple は古い機種をサイレント修正で切ることがある
  • Apple のサイトですら更新漏れと思われる箇所がある
  • Apple は対応を明記していないが、Dolby は対応していると言っているものがある
  • Dolby は対応機種一覧の更新をサボりがち
  • イヤホン / ヘッドホンでの空間オーディオは当初空間オーディオ対応の AirPods / Beats が必要だったが、iOS 15 / iPadOS 15 では Apple Music に限り、有線イヤホン / ヘッドホンも対応するようになった (実は iOS 14.6 / iPadOS 14.6 ではバグで有線でも空間オーディオ対応していた)
  • AirPods や Beats の空間オーディオのヘルプページ に、なぜか「内蔵スピーカー」という表記が追加

そこで、この記事では以下の公式サイトを比較し、改めて対応機種リストを作成してみた。

  1. アップル – サポート – 技術仕様 (日本)
  2. AirPods や Beats で空間オーディオを体験する – Apple サポート (日本)
  3. About Spatial Audio with Dolby Atmos in Apple Music – Apple Support
  4. Apple Music のドルビーアトモスによる空間オーディオについて – Apple サポート (日本)
  5. Dolby Audio Apple iOS Device Support Dolby Developer | Dolby Developer

先程挙げた理由により、注釈多めで見づらくなってしまっているが、文句は Apple や Dolby に言っていただきたい。

注意書きなど:

  • Dolby のページは更新が遅いため、1世代前の機種が対応していれば、その次の機種も対応しているとみなす場合もある。
  • Dolby Audio には様々な意味合いがあるが、この記事では 5.1ch や 7.1ch のサラウンド音声のことを指す。(本来は Dolby Atmos や Dolby Voice などのブランドに属さない、Dolby の音響技術の総称)
  • この記事でいう「空間オーディオ対応」とは、Dolby Atmos や Dolby Audio の音声を、内蔵スピーカーやイヤホン / ヘッドホンで仮想的に再生できることを指す。
  • iPhone / iPad は、今のところ以下のコーデックやフォーマットには対応していない。
    • Dolby AC-4
    • Dolby TrueHD
    • Dolby Digital Surround EX
    • DTS 系全般
    • 360 Reality Audio
    • Auro-3D
  • 一部の単語は、以下のように略している。
    • DD: Dolby Digital (AC-3)
    • DD+: Dolby Digital Plus (Enhanced AC-3)
    • JOC: Joint Object Coding

1. Dolby Audio (DD / DD+)、Dolby Atmos (DD+ JOC) 対応

対応状況
の記載
Apple
技術仕様
(Atmos)
AirPods/Beats
空間オーディオ
ヘルプページ
Apple Music
空間オーディオ
ヘルプページ
Dolby
対応リスト
(空間オーディオ)
*1
*2
*3

*1 iPad mini (第6世代) については Apple Music の Dolby Atmos が再生できることは確認済みだが、iPad (第9世代) は不明。単に記載漏れな気もする。

1-1. 内蔵スピーカーでの空間オーディオに対応

これらの機種も、もちろん AirPods や Beats での空間オーディオにも対応しているし、Apple Music であれば有線イヤホンでも空間オーディオに対応している。

1-1-1. 内蔵スピーカー用エフェクト「空間オーディオ再生 (Spatial audio playback)」にも対応

名称が紛らわしいが、スピーカーにおける「空間オーディオ再生」とは、スピーカーで空間オーディオが再生できると言う意味ではなく、Apple のスピーカー向けオーディオエフェクトのことである。これは、ステレオ音声再生時にも適用される。対応機種の場合、以下のように記されている。

オーディオ再生

・対応するオーディオフォーマット:AAC‑LC、HE‑AAC、HE‑AAC v2、保護されたAAC、MP3、Linear PCM、Apple Lossless、FLAC、Dolby Digital(AC‑3)、Dolby Digital Plus(E‑AC‑3)、Dolby Atmos、Audible(フォーマット2、3、4、Audible Enhanced Audio、AAX、AAX+)
・空間オーディオ再生
・ユーザーによる設定が可能な最大音量制限

iPhone 11 – 技術仕様 (日本)

iOS 16 / iPadOS 16 対応

  • iPhone 11 (2019 / A13 Bionic)
  • iPhone 11 Pro (2019 / A13 Bionic)
  • iPhone 11 Pro Max (2019 / A13 Bionic)
  • iPhone 12 (2020 / A14 Bionic)
  • iPhone 12 mini (2020 / A14 Bionic)
  • iPhone 12 Pro (2020 / A14 Bionic)
  • iPhone 12 Pro Max (2020 / A14 Bionic)
  • iPhone 13 (2021 / A15 Bionic)
  • iPhone 13 mini (2021/A15 Bionic)
  • iPhone 13 Pro (2021/A15 Bionic)
  • iPhone 13 Pro Max (2021 / A15 Bionic)
  • iPad Air (第5世代) (2022 / M1)
  • iPad mini (第6世代) (2021/ A15 Bionic) *1
  • iPad Pro 11 インチ (第3世代) (2021 / M1)
  • iPad Pro 12.9 インチ (第5世代) (2021 / M1)

1-1-2. 内蔵スピーカー用エフェクト「よりワイドに広がるステレオ再生 (Wider stereo playback)」にも対応

「よりワイドに広がるステレオ再生」とは「空間オーディオ再生」の前身と思われるものである。

iOS 16 / iPadOS 16 対応

  • iPhone XR (2018 / A12 Bionic)
  • iPhone XS (2018 / A12 Bionic)
  • iPhone XS Max (2018 / A12 Bionic)

1-1-3. 上記のエフェクトには非対応

「空間オーディオ再生」にも「よりワイドに広がるステレオ再生」にも対応しないが、スピーカーで空間オーディオを再生することができる機種

iOS 16 / iPadOS 16 対応

  • iPad Air (第4世代) (2020 / A14 Bionic) *3
  • iPad Pro 11 インチ (2018 / A12X Bionic)
  • iPad Pro 11 インチ (第2世代) (2020 / A12Z Bionic)
  • iPad Pro 12.9 インチ (第3世代) (2018 / A12X Bionic)
  • iPad Pro 12.9 インチ (第4世代) (2020 / A12Z Bionic)

1-2. 空間オーディオには対応の AirPods / Beats が必要 (ただし Apple Music に限り、有線イヤホン/ヘッドホンでも対応)

これらの機種は、AirPods / Beats の空間オーディオのヘルプページを見ると内蔵スピーカーでの空間オーディオにも対応していそうな感じではあるが、ページの趣旨やスピーカー配置的に記載ミスのような気がする。

更に、Apple Music の空間オーディオのヘルプページ (英語版) や Dolby の対応リストには内蔵スピーカーで聞けるとは書いていない。

そのため、1-1 には載せていない。

iOS 16 / iPadOS 16 対応

  • iPhone SE (第2世代) (2020 / A13 Bionic) *2
  • iPhone SE (第3世代) (2022 / A15 Bionic) *2
  • iPad (第6世代) (2018 / A10 Fusion) *2
  • iPad (第7世代) (2019 / A10 Fusion) *2
  • iPad (第8世代) (2020 / A12 Bionic) *2
  • iPad (第9世代) (2021 / A13 Bionic) *1
  • iPad Air (第3世代) (2019 / A12 Bionic) *2
  • iPad mini (第5世代) (2019 / A12 Bionic) *2

2. Dolby Audio (DD/DD+) のみ対応

対応状況
の記載
Apple
技術仕様
(DD/DD+)
AirPods/Beats
空間オーディオ
ヘルプページ
Apple Music
空間オーディオ
ヘルプページ
Dolby
対応リスト
(DD/DD+)
Dolby
対応リスト
(空間オーディオ)
*4
*5

2-1. 空間オーディオには対応の AirPods / Beats が必要 (ただし Apple Music に限り、有線イヤホン/ヘッドホンでも対応)

iOS 16 / iPadOS 16 対応

  • iPhone 8 (2017 / A11 Bionic) *4
  • iPhone 8 Plus (2017 / A11 Bionic) *4
  • iPhone X (2017 / A11 Bionic) *4

iOS 15 / iPadOS 15 対応

  • iPhone 7 (2016 / A10 Fusion) *4
  • iPhone 7 Plus (2016 / A10 Fusion) *4

2-2. 空間オーディオ非対応

iOS 16 / iPadOS 16 対応

  • iPad (第5世代) (2017 / A9)
  • iPad Pro 9.7 インチ (2016 / A9X)
  • iPad Pro 10.5 インチ (2017 / A10X Fusion)
  • iPad Pro 12.9 インチ (2015 / A9X)
  • iPad Pro 12.9 インチ (第2世代) (2017 / A10X Fusion)

iOS 15 / iPadOS 15 対応

  • iPhone 6s (2015 / A9)
  • iPhone 6s Plus (2015 / A9)
  • iPhone SE (2016 / A9)
  • iPad Air 2 (2014 / A8X)
  • iPad mini 4 (2015 / A8)

iOS 12 対応

  • iPhone 5s (2013 / A7) *5
  • iPhone 6 (2014 / A8) *5
  • iPhone 6 Plus (2014 / A8) *5
  • iPad Air (2013 / A7) *5
  • iPad mini 2 (2013 / A7) *5
  • iPad mini 3 (2014 / A7) *5

3. いずれにも非対応

*6 Apple の 技術仕様 のページに「Dolby Digital 5.1サラウンドのデジタル出力」対応が明記されたもの (「別売りのApple Digital AVアダプタが必要」とのこと、本体での再生は非対応?)

  • iPhone (2007 / iOS 3)
  • iPhone 3G (2008 / iOS 4)
  • iPhone 3GS (2009 / iOS 6)
  • iPhone 4 (2010 / A4 / iOS 7)
  • iPhone 4S (2011 / A5 / iOS 9)
  • iPhone 5 (2012 / A6 / iOS 10)
  • iPhone 5c (2013 / A6 / iOS 10)
  • iPad (2010 / A4 / iOS 5)
  • iPad 2 (2011 / A5 / iOS 9) *6
  • iPad (第3世代) (2012 / A5X / iOS 9) *6
  • iPad (第4世代) (2012 / A6X / iOS 10)
  • iPad mini (2012 / A5 / iOS 9)

井戸水

ガジェットやオーディオビジュアルが好きな人。

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