iPhone / iPad の空間オーディオ対応状況

最終更新日

まえがき

Apple 製品の空間オーディオ対応状況は、Apple や Dolby の公式情報ですらいまいちだったりする。

  • Apple のページ同士で違うことが書いてある
  • Apple の同一のページの、英語版と日本語版とで違うことが書いてある
  • Apple は古い機種をサイレント修正で切ることがある
  • Apple のサイトですら更新漏れと思われる箇所がある
  • Apple は対応を明記していないが、Dolby は対応していると言っているものがある
  • Dolby は対応機種一覧の更新をサボりがち

そこで、この記事では以下のサイトを比較し、独自に対応機種リストを作成してみた。

先程挙げた理由により、注釈多めで見づらくなってしまっている。


注意書きなど:

  • この記事で言う「空間オーディオ対応」とは、Dolby Atmos や Dolby Audio の音声を、内蔵スピーカーやイヤホン / ヘッドホンで仮想的に再生できることを指す。
  • iPhone / iPad は、今のところ以下のコーデックやフォーマットには対応していない。
    • Dolby AC-4
    • Dolby TrueHD (MLP FBA)
    • DTS 系全般
    • MPEG-H 3D Audio (360 Reality Audio 含む)
    • Auro-3D
  • 一部の単語は、以下のように略している。
    • DD: Dolby Digital (AC-3)
    • DD+: Dolby Digital Plus (Enhanced AC-3、E-AC-3)
    • JOC: Joint Object Coding

Dolby Digital (AC-3) とは、5.1ch まで対応している音声コーデック (圧縮方式)。Dolby Digital Plus (E-AC-3) とは、7.1ch やそれ以上にも対応している音声コーデック。

Joint Object Coding (JOC) とは、Dolby Digital Plus で Dolby Atmos を扱うための仕組み。Dolby Atmos は Dolby Digital Plus JOC (E-AC-3 JOC) (以降、DD+ JOC) 以外でも扱うことができるが、現状 Apple 製品が対応している Dolby Atmos のフォーマットは DD+ JOC のみ。

コーデックやフォーマット等の詳細は以下の記事にて。

Amazon Music に関しては、iPhone / iPad 側の対応の必要はない。しかし、「ステレオを空間化」をオフにしないといけないという注意点がある。詳細は以下の記事にて。

1. Dolby Audio (DD / DD+)、Dolby Atmos (DD+ JOC) 対応

対応状況の記載

Apple
技術仕様
(Atmos)
AirPods/Beats
空間オーディオ
ヘルプページ
Apple Music
空間オーディオ
ヘルプページ
Dolby
Developer
対応リスト
Dolby
Games
対応リスト
*1
*2
*3

「内蔵スピーカでの空間オーディオ」を「不可」としている機種の一部は、AirPods / Beats の空間オーディオのヘルプページを見ると内蔵スピーカーでの空間オーディオにも対応していそうな感じではあるが、ページの趣旨やスピーカー配置的に記載ミスのような気がする。Apple Music の空間オーディオのヘルプページ (英語版) や Dolby の対応リストには内蔵スピーカーで聞けるとは書いていない。

空間オーディオ対応

iPhone

機種 内蔵スピーカー 空間オーディオを
パーソナライズ
空間
オーディオ
オーディオ
エフェクト
体験 設定
2023 iPhone 15 Pro Max 空間オーディオ再生
iPhone 15 Pro
iPhone 15 Plus
iPhone 15
2022 iPhone 14 Pro Max
iPhone 14 Pro
iPhone 14 Plus
iPhone 14
2021 iPhone 13 Pro Max
iPhone 13 Pro
iPhone 13
iPhone 13 mini
2020 iPhone 12 Pro Max
iPhone 12 Pro
iPhone 12
iPhone 12 mini
2019 iPhone 11 Pro Max
iPhone 11 Pro
iPhone 11
2018 iPhone XS Max よりワイドに広がる
ステレオ再生
iPhone XS
iPhone XR

iPhone SE

機種 内蔵スピーカー 空間オーディオを
パーソナライズ
空間
オーディオ
オーディオ
エフェクト
体験 設定
2022 iPhone SE (第3世代) *1
2020 iPhone SE (第2世代) *1

iPad Pro 12.9インチ

機種 内蔵スピーカー 空間オーディオを
パーソナライズ
空間
オーディオ
オーディオ
エフェクト
体験 設定
2022 iPad Pro 12.9 インチ (第6世代) 空間オーディオ再生
2021 iPad Pro 12.9 インチ (第5世代)
2020 iPad Pro 12.9 インチ (第4世代)
2018 iPad Pro 12.9 インチ (第3世代)

iPad Pro 11インチ

機種 内蔵スピーカー 空間オーディオを
パーソナライズ
空間
オーディオ
オーディオ
エフェクト
体験 設定
2022 iPad Pro 11 インチ (第4世代) 空間オーディオ再生
2021 iPad Pro 11 インチ (第3世代)
2020 iPad Pro 11 インチ (第2世代)
2018 iPad Pro 11 インチ (第1世代)

iPad Air

機種 内蔵スピーカー 空間オーディオを
パーソナライズ
空間
オーディオ
オーディオ
エフェクト
体験 設定
2022 iPad Air (第5世代) 空間オーディオ再生
2020 iPad Air (第4世代) *3
2019 iPad Air (第3世代) *1

iPad mini

機種 内蔵スピーカー 空間オーディオを
パーソナライズ
空間
オーディオ
オーディオ
エフェクト
体験 設定
2021 iPad mini (第6世代) *2 空間オーディオ再生
2019 iPad mini (第5世代) *1

iPad

機種 内蔵スピーカー 空間オーディオを
パーソナライズ
空間
オーディオ
オーディオ
エフェクト
体験 設定
2022 iPad (第10世代) *2
2021 iPad (第9世代) *2
2020 iPad (第8世代) *1
2019 iPad (第7世代) *1
2018 iPad (第6世代) *1

2. Dolby Audio (DD / DD+) のみ対応

これらの機種は、Dolby Atmos (DD+ JOC) は 5.1ch 〜 7.1ch にダウンミックスされたものが再生される。

対応状況の記載

Apple
技術仕様
(DD / DD+)
AirPods/Beats
空間オーディオ
ヘルプページ
Apple Music
空間オーディオ
ヘルプページ
Dolby
Developer
対応リスト
Dolby
Games
対応リスト
*4
*5

2-1. 空間オーディオ対応

iPhone

機種 内蔵スピーカー 空間オーディオを
パーソナライズ
空間
オーディオ
オーディオ
エフェクト
体験 設定
2017 iPhone X *4
iPhone 8 Plus *4
iPhone 8 *4
2016 iPhone 7 Plus *4
iPhone 7 *4

2-2. 空間オーディオ非対応

iPhone

iPad Pro 12.9 インチ

iPad Pro 10 インチ前後

iPad Air

機種
2014 iPad Air 2
2013 iPad Air *5

iPad mini

機種
2015 iPad mini 4
2014 iPad mini 3 *5
2013 iPad mini 2 *5

iPad

機種
2017 iPad (第5世代)

3. いずれにも非対応

*6 HLS Authoring Specification for Apple devices appendixes | Apple Developer Documentation では “AC-3/E-AC-3” が “Only AC-3 via pass-through” となっている。本体での再生はできず、外部出力のみ可能といった意味だろう。

*7 Apple の 技術仕様 のページに「Dolby Digital 5.1サラウンドのデジタル出力」対応が明記されたもの (「別売りのApple Digital AVアダプタが必要」とのこと、本体での再生は非対応?)

iPhone

機種
2013 iPhone 5c *6
2012 iPhone 5 *6
2011 iPhone 4S
2010 iPhone 4
2009 iPhone 3GS
2008 iPhone 3G
2007 iPhone

iPad

機種
2012 iPad (第4世代)
iPad (第3世代) *7
2011 iPad 2 *7
2010 iPad

iPad mini

機種
2012 iPad mini

井戸水

ガジェットやオーディオビジュアルが好きな人。モバイル機器における空間オーディオなどを調査しています。

2件のフィードバック

  1. 結局iphoneなどapple製品でのDolbyオーディオや空間オーディオが聞けるのかどうか?がさっぱりわからんでした。
    印象として、iphoneの内蔵スピーカーで聞けるのか?専用アップルデバイスのBluetoothデバイスでしか聞けないのかってところを知りたかったですね。

    • 以前、AppleはDolby Atmos再生可能なデバイスでの再生のときに自動で空間オーディオがオンになるデバイスを、「内蔵スピーカーで再生可能」と記したように感じられます。実際、Dolby Atmos再生が不可能なiPhone Xでは対応曲を再生したとき、オンにはなりませんでした。しかしながら、iPhoneのスピーカーはどのモデルも2台しか搭載されておらず、現実的に内蔵スピーカーでのネイティブ再生はすべてのモデルで不可能なはずです。なので、現在Appleのサイトでは「内蔵スピーカー」の記述が削除されています。このことから、もともとのこの記述は、「どの外部機器を使用しても自動的にDolby Atmosなど空間オーディオがオンになるデバイス」のことを指していると思われます。このデバイス以外では、基本的にAirPodsシリーズの使用で空間オーディオ(しかしiPhone SE Gen2,3は例外としてDolby Atmosは再生不可、Dolby Digital Plusとして再生される)がオンになるのではないでしょうか…?私も、一般人なので正しいことはわかりませんが、ここに載っているすべての文献から察するにこのようなことであると思われます。

コメントを残す…